MITSUKOとは?

現在、百貨店に勤務して11年目。

障害を持って16年、就職して1〜2年までは、

会社と家の往復だけで何の目的も楽しみもない人生を過ごしていました。

 

ひとりの盲人と出会って人生をも変えたこの瞬間

 

 
 今から16年前、その当時で10万人に1人の割合でしかかからないウィルソン病の神経症状が出始めました。小学校5年の時に肝臓病と診断されてから月1回通院していたのですが、担当の先生がウィルソン病を知らなかったため治療が遅れ症状もどんどん進行していきました。病名が判ったものの、薬を食後と指示されていたため、良くもならず、悪くもならずといった状態でした。2年間入院し、養護学校へ3年、その後1年職業訓練校で寮生活をし、珠算・簿記・ワープロなどいろいろな資格を取り、今はパソコン事務の仕事をしています。 
 働いて3年目の平成6年の秋、新聞の記事を見て盲人のバンドのコンサートに行きました。その中の1人熊野さんは、スキー・スキューバー・スカイダイビングなど何にでもトライする恐いもの知らずの持ち主であることを知り、同じ途中障害なのに全然生き方が違うと思いました。すごく明るく、何事にも前向きな考え方と行動力に影響されて、私も障害者に教えているスキースクールを紹介してもらいました。寒いのも苦手、運動も苦手、スキーなんてもってのほかと思っていた私がスキーを始めてから“出来ない”のではなく“しないから出来ない”ことがわかって、いろんな事に挑戦するようになりました。最初のうちは人と会いたくてスキーに行っていたようなものだったのですが、今ではスピード感を求めて滑るようになったのです。風を突き抜けるようなあの感覚。私の全行動からして無縁だと思っていた速さ。この快感を求めて滑りまくっています。レッスンは厳しいながらも、回数を重ねる度に新しい発見があるのでとても楽しいです。 
 家に閉じこもりがちだった私が、勇気を出してコンサートの問い合わせの電話をして、熊野さんと出会ったその日から人生は180度変わった気がします。  1つの勇気でこんなにも変わるとは、周りも自分自身もびっくりしています。
 平成7年の夏、ウイルソン病友の会があることを知り、専門医も東京で見つかり、まちがった治療をしていた事がわかりました。同じ薬でも食間空腹時に飲まないと効果がないのです。これからどこまで良くなるか楽しみです。でもまだ熊野さんのように「障害を持って良かった」とは思えませんが... 
 スキーに関しても何に対してもまだまだ課題の多い私ですが、今に満足せず常に前を向いて生きていきたいと思います。生きている限り、夢を持って、楽しみを持って生きないと損だから... 
 これからもまた、新たなより多くの体験、より多くの出会いが出来るように、私は“障害者”ではなく“笑涯者”となりたいと思います。 

    

ウィルソン病とは 

銅の代謝異常症で、肝・脳への蓄積が主な原因で、発見が遅れると小児期から生命の危険があります。又、さまざまな後障害をのこしますが、早期に発見し正しい治療を行えば、通常の生活を送ることが出来ます。 

    

 めにゅ

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