☆友の言葉☆
２００５年５月２４日夜遅く、ドカことウイルソン病友である今野宏幸くんが、肝臓ガンで３５歳という若さで亡くなりました。今野くんは、私のＨＰを見て初めて問い合わせてくれた人です。私のことを命の恩人とまで言ってくれたのに、苦しみとか辛さとか聞いてあげられなかったと後悔している時、今野くんが引き合わせてくれた友達が教えてくれました。今野くんのＨＰに書いてる『普通と迷惑』。私はこのページを見落としてました。「自分の事は他人からどう見られてもどう言われても、自分にとっては普通のこと」私自身人からどう思われてるか気になるたちなので、読んで気持ち的に楽になりました。多くの人に読んで欲しいので、ここでドカの言葉として残したいと思います。
「普通」に思う・感じる
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ふつう【普通】①（－する）広く一般に通じること、または通じさせること。②（形動）ごくありふれていること。通常であること。なみ。 小学館「国語大辞典」より抜粋
「普通に生きる」ってなんだろう。そもそも「普通」と言う言葉が分らない。（って、国語辞典で調べてるじゃないか！！）「普通」ってどういうことですか？？「普通に暮らす」「普通に生きる」「普通な家庭」などなど。人はその「普通」という言葉に踊らされてるような感じがする。そんなに「普通」がいいんだろうか？？？「普通」のどこが良いんだろうか？？？俺には分からない。
例えば、俺は一日中家にいるが、大概の人は働いている。俺は隔週一回病院に行っているが大概の人はその時間、職場や家庭にいる。俺は疲れやすく、すぐに疲れはとれないが、大概の人は一晩寝れば疲れがとれる。見た目は俺だって「普通」である。が、俺は全然「普通」ではないのだ。
こんな俺でも「普通」な時期はあった。「普通」に学校に行き、部活をやって、「普通」に遊んで、「普通」に働いて。「普通」に夜遊びをしたり。でも、ある時を境に「普通」では無くなった。
いわゆる「普通」でなくなった今、俺はまだ「普通」に暮らしていると思っている。俺は俺なりに「普通」なのだ。 働いてないから「普通では無い」とか、疲れるから気軽に出かけられないから「普通では無い」のでは無いのである。（ややっこしいなぁ）
病気の俺によく分かってない人は「頑張れ」とか「あまり気にしないで」とか声を掛けてくれる。しかし、俺はその声に違和感を覚えるのだ。病気は俺にとって「普通」なのである。そりゃ人生、人として頑張って生きていかなくてはいけないとは思っている。だが、病人として一言いっておくとすれば「俺は充分普通だよ」っていうこと。子供の時から病気だからこんな事が言えるのかもしれないが、それでも俺は「普通」に生き、暮らしているのである。今日も俺は「普通」に痛み、苦しみ、悩み、笑い、泣き、紆余曲折しながら生きている。
「迷惑」に思う、感じる
なんでこんな俺なんだろう。俺は人に「迷惑」ばかりかけている。おっちょこちょいで、常識知らずだ。
でも、他人に「迷惑」をかけない人って居るのだろうか？俺はそんな人が居たら会って話をしてみたい。
どのような生き方をしたら他人に「迷惑」をかけないで済むのか。
俺は教えて欲しい。他人に「迷惑」をかけない生き方。
若い人に、ご意見番のような大人は「あれは迷惑だ」とか言ってるけど
そのご意見番のようなそんなあなたは他人に「迷惑」をかけたことはないのか？
若いときは誰だって大人に煙たがられる。「今の若い者は・・・」とか言って。
その大人も若いときに煙たがられはしなかったのか？俺は聞きたい。
道ばたでギターを弾いている若い人がいる。あなたは雑音と聞くか？はたまた、音楽と聞くか？
俺はその前を通り過ぎながらも「楽しんでるなぁ」と羨ましがっている。
そして「バンドをやっていた、あのころに戻りたいねぇ。頑張れ！！」とも思っている。
誰だって若いときは楽しみたいものだ。若いときにしか出来ないことはいっぱいある。
それは「迷惑」なんだろうか？節度ある行動？それで楽しめるんだろうか？
俺はいろいろな人に迷惑をかけてきた。「両親」「兄姉」「親友」その他沢山の人々。
中学の時ゲーセンに通ってたときも、高校を中退するときも、ガソリンスタンドで働いてたとき夜遊びしたときも。
特に体が弱く生まれてきたことが一番の「迷惑」だと思う。こんな俺は今、お荷物でしかない。
具合が悪くなったとき、お袋が色々面倒見てくれる。
そんな時布団に寝てる俺は「ごめんなさい」って涙を流しながら言う。
「何でこんなに身体が弱いんだ。情けない。」と思って自分を責める。
困ってるときはお互い様ってお袋は言うけど俺には納得がいかない。そん時は。
これも俺にとっては確実に「迷惑」かけていると思っている。
知らないところで俺もあなたも「迷惑」をかけているかもしれない。
車の急な割り込み。車線の独占。マイペースでゆっくり流れに沿わないで走る。
運転中、病院内、電車内、映画館などでの携帯電話。
混んでる電車の中でリュックサックを背負う。新聞を広げて読む。
座席の横に荷物を置く。出口付近にベタ～っと座り込む。
夜、熟睡してるときの突然の電話。別にたいした用じゃないのに。
もう挙げるだけで数え切れない。自分で気づいてない「迷惑」が一番迷惑がかかっている。
俺はそう思う。そう思えてならないからだ。俺は気づかされることがあったからそう思う。
よかれと思ってやってくれたことも「迷惑」がかかっているかもしれない。
友達のために、親のために、兄弟のために。そう思ってやったこと、言ったことが一転「迷惑」と思われてしまう。
この「迷惑」は俗に言う「お節介」。お節介は一番タチが悪いかもしれない。
その人は、あなたのため、と思ってやっているのだから。全然悪気など無いのだから。
俺もそのタチの悪い「迷惑」を受けたことがある。あなたもありませんか？
いろいろな「迷惑」を挙げてきたが、この文章が一番「迷惑」なのかもしれない。
ほら、そこのあなた。あなたは「迷惑」をかけてませんか？「迷惑」をうけてませんか？